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メタボリック症候群(metabolic syndorome)

メタボリック症候群とは、高血糖、高トリグリセリド血症/低HDL血症、高血圧というリスクファクターを備え、それらを基盤に、動脈硬化性疾患及び糖尿病を発症するハイリスク病態であることをいいます。(高LDL血症や高コレステロール血症は必ずしも含みません)ひとつひとつはたいしたことがない状態であっても、それらが重なることにより相乗効果を生み出し、本格的な病気の原因になるのです。
原因としては、もともとの体質に加齢、運動不足などに、高カロリー、高脂肪な現代の食生活などが重なり、消費エネルギーよりも蓄積されるエネルギーが上回り、肥満やインスリン抵抗性がみられ、糖・脂質・血圧調節の機構に異常がおこってくるためといわれています。
わかりやすくいえば、内臓肥満を共通の要因として、脂質異常症(高脂血症)・高血圧・高血糖の3つのうちの2つをもつ場合に、メタボリック症候群としているところもあります。(別の分類では、高血糖、高血圧、高トリグリセリド血症/低HDL血症、高血圧がそろえば、肥満がなくてもメタボリック症候群と分類される場合もあります。)

日本の2005年4月の診断基準は

腹囲男性85センチ以上、女性90センチ以上(必須項目)
に加えて、

トリグリセリドが150mg/dl and /or HDL40mg/dl未満
収縮期血圧130以上mmHg or 拡張期血圧85mmHg以上
空腹時血糖値 110mg/dl以上
の2つ以上を満たした場合



メタボリック症候群では、コレステロールの多い、柔らかい動脈硬化のプラークというものができやすくなり、これらが心臓や脳の血管に影響を及ぼしやすいといわれています。
メタボリック症候群により、心臓の血管の病気は約2〜3倍、糖尿病の発症は約5倍くらいになるという報告もあります。
内臓脂肪型の肥満は、どちらかというと男性に多く、女性には少ないのですが、閉経を境に女性ホルモンの分泌が下がることにより内臓型肥満が増えるのではないかといわれています。
内蔵脂肪型肥満により、月経異常がひきおこされます。BMI25以上の肥満には、子宮体がん、乳がんなどの率も上昇するというデータも示されています。(BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)として計算します。正常値は18.5〜25です。もっとも、病気にかかりにくいBMIは22くらいといわれています。))
身長155センチとすると、52.8キロくらいが一番病気になりにくい体重です。
ちなみにこの身長ですと、44.4キロ以下であれば痩せすぎ、60キロ以上であれば肥満、ということになります。

平たくいいかえれば、メタボリック症候群は、心臓や脳の血管の大きな病気を起こす予備軍のようなものなのです。また、この症候群の恐ろしいところは、ほとんど自覚症状がないことなのです。
そのため、メタボリック症候群を予防するには、まず運動、バランスのよい食生活、禁煙、定期的な検診が必要だといわれています。

メタボリック症候群を避けるため=必要以上の内臓脂肪の蓄積をとめる、減少させる、という生活様式=食べ過ぎない、適度な運動をする が必要となるのです。